地震の揺れによる倒壊、破損被害

2022年5月19日

東日本大震災では、約1 万戸の家が地震の揺れによる倒壊、 破損などの被害を受けました。

3 月11 日で東日本大震災発生から丸11 年。岩手県では3 月11日を「東日本大震災津波を語り継ぐ日」とする条例を制定し、震災の教訓を次の世代にしっかり受け渡す日としました。この地震による教訓は、津波警報が出された後の迅速な行動の重要性や、原発事故を想定した事前対策など数多くあります。
しかし、津波、火災、大規模避難などがクローズアップされたためあまり表面にはでていませんでしたが、地震そのものによる住宅の被害も数多くあったのです。
総務省消防庁の調べでは、別表の「全壊」住家、約13 万軒のうち、約12 万軒が津波による被害で、残りの約1万軒が「地震動による被災」だということです。被災した建物の建築年度を調べると、1981 年5 月31日までに確認申請を受けた、旧耐震基準で設計された建物に被害が多いことが判明しています。
それ以降の新耐震基準で適切な耐震補強・改
しかし、新耐震基準で建設された住宅でも被害を受けたものがあります。その原因の一つは、土地の地盤の強度の違いです。まったく同じ耐震補強を施しても、軟弱な地盤の場合には、それでは不十分ということもあるのです。各自治体のハザードマップなどで、自宅の地盤の状況を確認し、それに合わせ
た適切な地震対策を行っておく必要があるということです。
大震災に対する備えとして何よりも大切なのは「自宅の状況に合わせた」適切な免震、耐震、制震などの対策を施し、住宅を地震の揺れから守ることなのです。

■東日本大震災住家被害(都道府県別)
( 平成 24 年 9 月 11 日時点)

●倒れやすい家具類には耐震対策が不可欠
地震動による室内での怪我の原因は、円グラフのように家具等の転倒落下、ガラス、家屋の倒壊と、建物の揺れによる家具、ガラス窓、家屋そのものの破損や移動によるものが78%を占めています。
また、同調査の「震度7 の地域」と「災害救助法適用地域」での、室内家具の被害状況では、横棒グラフのように「家具の転倒もしくは移動」による被害があったものとして、本棚53%、食器棚39%、洋たんす32%があげられています。ピアノは転倒することは少なく、移動による被害も少ないものになっています。背の高い家具類の転倒防止策は不可欠でしょう。
東京消防庁の『家具類の転倒・落下・移動防止ハンドブック』によると、近年発生した地震でけがをした原因を調べると、約30 ~ 50%の人が、家具類の転倒・落下・移動によるものでした。
・火災の発生
家具などがストーブなどに転倒・落下することで、火災が発生するなど、二次的な被害も引き起こします。
・避難障害
避難通路、出入口周辺に転倒・移動しやすい家具類を置くと、避難経路を塞いだり、引き出しが飛び出すことでつまずいてケガをしたり、避難の妨げになることがあります。家族の負傷、火災の発生、避難障害の発生を防ぐためには、家具類の転倒・落下・移動防止の日常的な対策が非常に大切なのです。
最善の防止策は、建物そのものを新耐震基準に合わせた免震、耐震、制震を採用し、なおかつ転倒の可能性の高い家具類には、それにふさわしい防止策を施すことです。
当社のエアー断震システムは、震度7 の激しい揺れでも、空気の力で建物を浮かして遮断し、建物そのものの揺れを約30 分の1 に軽減できる「エアー断震」という画期的な技術。新築住宅の場合の地震対策としては、コストパフォーマンスに優れたシステムです。