熊本地震から丸6 年

2022年5月17日

2 回の震度7 で
傷ついた町は、まだ復興途中です。

●余震として1000 回以上の有感地震が発生していました
熊本地震は、短期間に震度7の大きな揺れが2回連続するという、内陸型(活断層型)の地震としては珍しいものでした。
最初は、2016 年4 月14 日の21 時26 分。2 回目は、28 時間後の4 月16 日、1 時25 分。そのため、1 回目の揺れで被害を受けなかった建物でも、目に見えないダメージを受けていたため、2 回目の大揺れで倒壊したものもありました。

熊本のシンボルの熊本城も大きな被害を受け、国指定重要文化財になっている高さ18mの阿蘇神社の楼門も倒壊してしまいました。熊本城、阿蘇神社をはじめとする重要な建造物は、6 年を過ぎたいまもまだ復旧工事が続いています。

▲倒壊した阿蘇神社の楼門

▲地震前の阿蘇神社楼門

■地震の発生状況(4 月14 日~29 日、震度5 弱以上を観測した地震)

 

左表で示したように、4 月14 日から4 月29
日までの15 日間で、震度5 弱以上の大きな揺れが13 回も発生しています。この間、身体に揺れを感じる地震は1000 回以上も起きていました。
この地震による九州5 県(福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎)の死者は211 名、重傷者1142 名、軽傷者1604 名という大きな被害でした。また、建物の全壊は8682 棟、半壊3 万3600 棟、一部損壊15 万2749 棟となり、熊本県、大分県の被害総額は最大約4.6 兆円と推計されています。

●余震が続く中、エアー断震システムの試験棟を建ててデータ収集

地震発生後、弊社社員はカメラをもって現地に赴き、町を襲った大きな被害を目の当たりにしました。特に1 階部分が押しつぶされて倒壊した建物がとても多いことに愕然としました。
余震が続く中、熊本市内にエアー断震システムの試験棟を急遽建設。余震のデータ収集、建物の浮上実験繰り返すことで、システムの性能向上のための貴重なデータを蓄積できました。試験棟の設置は、2016年7月~2017年3月でしたが、この間熊本県内で起きた地震数は、最大震度の震度5 強が3 回、震度1 以上の地震は合計717 回も発生していました。

▲地震で1 階が潰れた住宅

▲急遽建設した熊本市内の
エアー断震システムの試験棟

日本全国の今年の地震発生数を見ると、元旦から4 月18 日までに、震度6 強の地震が1 回、震度5 強が3 回、震度5 弱が1 回起き、震度1 以上の地震は703 回も発生しています。地震が発生する度に、建物を空気の力で浮上させ、地震の揺れから建物と命を守るエアー断震システムの普及活動に力を入れていかなければと感じています。