古民家への採用事例
エアー断震システムを、古民家に採用した事例をご紹介します!
2021年に放送されたNHKスペシャル「MEGAQUAKE 巨大地震 2021 ~震災10 年 科学はどこまで迫れたか~」に、当社の三誠 AIR 断震システムが登場。その中でも紹介されました。
建物は、なんと明治 2(1869)年に竣工した築 150 年を超える古民家ですが、近代的な医療機器を備えた眼科診療所なのです。この古民家の趣に魅せられ、「後世に遺していきたい」とお考えの仙台市の眼科病院長さんが、分院として活用することを決めました。しかし、江戸時代の伝統工法でつくられた建物は、耐震補強をする必要がありました。
伝統工法では、地震の揺れを吸収し建物に伝えにくくする「免震構造」が採用されていましたが、耐震補強のためには土台を修繕し基礎を入れ替える必要があるのです。しかし、基礎を入れ替えると免震構造がだめになってしまいます。
このジレンマを解消すべくさまざまな工法を探した結果、エアー断震システムにたどり着き、採用いただけることになりました。エアー 断震システムは、システム構造の 9割ほどが基礎に埋め込まれます。まず、エアー 断震システムを搭載した基礎を新設し、その上に古民家を曳家して設置することで、建物の構造に手を加えることなく、地震対策ができるのです。
曳家(建物を解体せずにそのまま移動する工法)では、スペースが必要で、費用も高くなりますが、構造材をいじることなく、伝統工法の素晴らしさをそのまま後世に遺すことが可能になります。
この建物は平屋 235 ㎡、総重量約 180 トンの大型物件ですが、地震発生時にはしっかり浮上し、高価な医療機器を守ることができました。2021年2 月 13 日に発生した、福島県沖を震源地とする M7.3の地震では、近隣のクリニックはことごとく被害に見舞われ、医療機器の被害額は数千万円にもなったとのこと。
エアー 断震システムがしっかり作動した結果、被害もなかったことから「本当に エアー断震システムを入れてよかった!」と喜んでいただけました。震度 6 弱の地震に対しても当社のシステムが効果を発揮し、お客さまの大切なものを守れたこと、そして日常生活を継続することができたことは、何よりも意味のあることだと痛感しました。