1月13日に日向灘でM6.9の地震 南海トラフ地震臨時情報は「調査終了」に



1月13日の夜9時19分ごろ、宮崎県の日向灘でマグニチュード6.9の地震(最大震度5弱)が発生し、昨年の8月8日に続き「南海トラフ地震臨時情報」が出されました。地震発生後すぐに有識者による検討会が開かれましたが、「今回の地震は、南海トラフ地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる現象ではない」ということで「調査終了」が出されました。
しかし、この地域では2009年4月以降、表のように震度4以上の地震が17回発生。今年に入ってから震度1以上の地震が17回も発生しています。今回の地震の翌日には、マグニチュード5.4(最大震度4)の地震が起きてるので、南海トラフの西端にある日向灘ではまだ警戒が必要です。
南海トラフ地震の発生確率の見直し「30年以内で80%」に引き上げ

政府の地震調査委員会は2025年1月15日、国内で今後想定されている大地震の最新発生確率(1月1日現在)を公表し、南海トラフで今後30年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率を、これまでの「70~80%」から「80%程度」に引き上げました。「時間の経過と共に確率が上がった」ことが、見直しの理由とのことです。
過去の南海トラフ地震は、想定震源の全域ではなく一部で発生し、数時間から数年の時間差でさらに違う領域で発生する「半割れ」が起きることも多い地震です。1944年の昭和東南海地震は第二次世界大戦の末期に発生し、軍需工場が大きな被害を受けたこともあって、箝口令が敷かれて報道が規制されました。そのため、他の地域では被害状況もわからず、地震に対する警戒心も薄く、地域で備えることも少なかったといいます。そのような事情のため、被災地での惨状、教訓が語り継がれることが少なくなりました。
地震に備え、被害を少なくするために何より必要なのは情報です。情報を知ることにより防災の準備をし、共有することにより「共助」の意識が高まり、被害を小さくすることが可能になります。