適切な対策で被害を軽減
液状化の危険性が高いときには
適切な対策で被害を軽減させる
液状化の可能性が高いと判明したときには、次のような対策を考えるとよいでしょう。
(出典:東京都建物における液状化対策ポータルサイト)
●被害を最小限に抑える対策
■地盤を改良して対応する工法
1.深層混合処理工法
土と固化剤を混ぜた円柱状断面の改良体を、基礎スラブ(地中の梁)又は基礎フーチング(逆T型をした基礎底面の部材)直下に杭のような形で配置して地盤を改良する工法です。
2.浅層混合処理工法
建物の周囲を含め、基礎スラブ又は基礎フーチングの直下を全面的にセメント系固化材と現状の土を混合撹拌して薄い層状・板状に改良する工法です。
3.注入工法
セメントスラリー(水とセメントの混合液)や薬液(水ガラス系など)を地盤に注入する工法です。
■地盤を囲い込み対応する工法
4.格子状地盤改良工法
現地盤の土とセメント系固化材を混合撹拌することで、地中に円柱の改良体の連続壁を造成し、液状化地盤を囲い込む工法です。
5.璧状締切工法
矢板などのパネルを建物の基礎外周部に構築し、液状化地盤を囲い込む工法です。
●被害の軽減を図る対策工法
6.直接基礎(べた基礎)
べた基礎は、建物の荷重を底板全体で受け止め、分散して地盤などに伝えることができ、不同沈下を防ぎ耐震性を増すことが可能になります。基礎底面以下に液状化の発生の可能性のある地層がある場合は、その層を掘削し砕石などの材料で置き換えを行うことで、液状化による建物の被害を防ぐことができます。
7.小口径杭工法
建物荷重を支える力を基礎の底面で確保した上で、沈下量を低減することを目的として、鋼管などの杭を回転貫入または圧入によって設置する工法です。
●液状化対策アドバイザー制度を利用する
東京都では、「液状化対策アドバイザー」制度を創設し、地震による液状化の発生の可能性や敷地における地盤の状況の把握、対策工法の選定などの相談窓口としています。令和5年10月より、窓口相談だけでなく都民の実質負担だった派遣相談についても無料となりました。
(一般社団法人)東京建築士会無料相談窓口 ☎03-3527-3100
相談室開催日:毎週月曜日/13:00~16:00(相談開始は終了の30分前まで)※要予約
1件約30分程度、先着3組まで。相談は一人につき2回まで
住所:東京都中央区日本橋富沢町11-1 富沢町ビル5階