桜島の噴火活動活発化、頻発する火山性地震
桜島の噴火活動が活発化し、地震も頻発。
2ヵ月強に、44回の爆発地震、538回の火山性地震が発生。
鹿児島県の桜島付近は、太古の時代から巨大火山の爆発が歴史に刻まれていますが、今年に入ってから噴火活動が活発化しています。7月15日~9月16日の約2ヵ月間で、噴火によって起きる爆発地震が44回、地下深部のマグマだまりが活発化して上昇し、山体が膨張するときに発生する火山性地震が538回も発生しています。噴煙は最高で2300mまで上がりました。
また、群馬県と長野県にまたがる浅間山でも噴火活動が活発化しています。火山の周辺では、噴火による直接災害と噴火活動に伴う地震の危険性に注意しておく必要があります。
108年前の1914年にはM7.1、最大震度6の大地震が鹿児島県で発生し、甚大な被害が発生しました。
1914年(大正3年)1月12日に、鹿児島県で発生したM7.1の火山性地震は「桜島地震」と名づけられました。この地震は最大震度6、死者29名、負傷者111名という大きな被害が起こりました。
この地震の原因となった桜島大噴火は、地震発生の8時間半前に起こりました。通常の火山性地震はM6以下のものですが、桜島地震は例外的に大きなものでした。火山活動は前年の11月上旬から活発化し、それに伴う有感地震も多発していました。この本震では、鹿児島市で震度6、熊本市、佐賀市、宮崎市では震度3が観測されました。大量に流れ出た溶岩は、それまで島であった桜島と大隅半島の間をつなぐほど大量に流出しました。
桜島周辺の火山活動は太古の時代から活発に起こり、約2万9000年前に起こった大噴火によって、現在の鹿児島湾北部が大きく陥没しました。この大噴火は、九州の旧石器時代人を絶滅させ、人間活動が再開するまでに1000年を要したと言われています。このときにできあがったのが「姶良(あいら)カルデラ」の原型で、その後もたびたび起きた大噴火と、陥没によるカルデラの出現で現在の地形になりました。地図内にある「若尊(わかみこと)カルデラ」も、その後の大きな噴火でできたものです。
日本には108の活火山があります。活火山は、現在爆発し、噴煙を上げている火山だけではなく、長い間火山活動がなくても、今後噴火の可能性がある山も含まれます。日本の活火山は世界の活火山の約7%を占めています。ま
さに火山大国日本と言えるのです。
日本では、プレートの動きによる地震、活断層による地震、そして火山活動による地震と、多くの地震発生の危険に囲まれています。地震による被害を最小化するには、耐震、免震、制震、そしてエアー断震などの対策を講じておく必要があります。