過去の日本海側大地震
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日本海側では「大地震は起きない」と安心はできない
過去にも多数の大地震が起こっている
これまで懸念されていた巨大地震は、南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・直下型地震など、いずれも太平洋に面した地域を震源とするものでした。それだけに、今回日本海側で発生した令和6年能登半島地震には驚いた方も多かったと思います。
しかし、過去141年の間に日本海側を震源とするマグニチュード6を超える大きな地震は、右表のように16回も発生しています。中でも1983年5月26日に発生した日本海中部地震はマグニチュード7.7という大きなもので、発生した津波などにより100名を超える方々が命を落としました。
太平洋沿岸の地震の多くはプレートの移動による地震が多いのですが、日本海側で発生する地震の原因はどのようなものなのでしょうか。
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日本海側の地震に関しての研究は遅れ、対策も進んでいない
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*「新編日本の活断層」(東京大学出版社)掲載図の日本海側部分を抜粋
日本海東縁部で発生する地震に関して、地震本部でまとめた情報の一部を抜粋して紹介します。「北海道や東北地方などの日本海側沖合は日本海東縁部と呼ばれています。この地域で起きた地震としては、1983年の日本海中部地震(M7.7)がよく知られています。この地震では、津波、地震動、地盤の液状化現象などによって、大きな被害が生じました。日本海東縁部で発生する地震も太平洋側沖合で発生する地震と同じように、その断層連動による海底での地殻変動(隆起や沈降)で、ほとんどの場合津波が発生します。震源地が陸地に近いため、地震発生後、場合によっては数分で津波が来襲します。日本海東縁部では、歴史の資料や津波の研究などから、いくつかの地震が南北方向に連なるように並んでいることが知られています。また、1940年の積丹半島沖地震(M7.5)や1964年の新潟地震(M7.5)は東西方向から圧縮する力を受けて発生した逆断層型地震でした。
日本海側で発生する地震の多くは、左図のように沿岸に弧を描くように並んだ活断層が原因となっていることが多いようです。
国土交通省では、2013~2014年にかけて有識者を集めた「日本海における大規模地震に関する検討会」を8回実施。文部科学省でも、2013~2020年に東京大学地震研究所、海洋開発機構、京都大学防災研究所などの研究機関を集め「日本海地震・津波調査プロジェクト」を実施し、日本海側の地震の原因分析、津波などによる被害想定、対策の提案などをまとめています。
しかし、太平洋側の大地震と比較するとまだ研究が遅れ、地方自治体などの対策も進んでいません。今回の令和6年能登半島地震の調査・分析をもとに、早急に対策を進める必要があるでしょう。