令和6年能登半島地震
1月1日に能登半島で発生した震度1以上の地震は359回
1月19日までに1464回発生しました
2024年1月1日16時10分に石川県能登地方で、深さ15㎞マグニチュード7.6の地震が発生しました。この地域では2021年初から群発地震が続いていましたが、最大震度7の大きい地震となり、多くの人的被害、建物被害が発生しました。その後も1回の最大震度6弱の地震を含む地震が続いています。
上図は1月1日~19日までに発生した地震の震源地を示したものですが、これまでの群発地震の震源地域と比較すると、東西方向に約120㎞の範囲に拡大しています。
■「令和6年能登半島地震」の最大震度別地震回数表(*気象庁発表)
16時10分の本震の4分前に石川県珠洲市を震源とする最大震度5強の地震が発生し、本震の後も次のような大きな地震が続きました。
1月 1日 16時18分:震度5強 震源地:石川県七尾市、穴水町
1日 16時56分:震度5強 震源地:石川県穴水町
1日 17時22分:震度5弱 震源地:石川県珠洲市
1日 18時03分:震度5弱 震源地:石川県珠洲市
1日 18時08分:震度5弱 震源地:石川県珠洲市
1日 18時40分:震度5弱 震源地:石川県志賀町
1日 20時35分:震度5弱 震源地:石川県志賀町
2日 10時17分:震度5弱 震源地:石川県穴水町
2日 17時13分:震度5強 震源地:石川県志賀町
3日 2時21分:震度5強 震源地:石川県珠洲市
3日 10時54分:震度5強 震源地:石川県輪島市
6日 5時26分:震度5強 震源地:石川県穴水町
6日 23時20分:震度6弱 震源地:石川県志賀町
16日 18時42分:震度5弱 震源地:石川県志賀町
この間、火災は新潟県上越市で1件、富山県富山市で2件、同県高岡市、氷見市、魚津市で各1件、石川県金沢市で3件、七尾市で2件、輪島市で3件、珠洲市、能登町で各1件、合計16件発生しました。
この中でも特に被害が大きかったのは、輪島の朝市で知られる石川県輪島市河合町で起きた大規模な火災でした。焼失面積5万800㎢、焼失棟数は約300棟と推定されています。
地震による死者、負傷者は震源地である石川県に多く発生しましたが、住居被害は近隣の新潟県、富山県の方が多くなりました。詳細はまだ不明ですが「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷 震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」という1981年6月に施行された新耐震基準以前に、建てられた木造建築の被害が多かったようです。
2021年初から能登半島で続いている群発地震の原因は地下の「流体」にあると推測
能登半島では、下表のように2021年1月から継続的に地震が発生しています。
大きな地震は、2021年9月16日最大震度5弱、2022年6月19日最大震度6弱、2022年6月20日最大震度5強、2023年5月5h最大震度6強、2023年5月5日最大震度5強などですが、今回のような震度7という大きな地震は予測されていませんでした。
■2021年1月以降の地震回数表
このホームページ内の記事でも過去2回触れていますが、専門家の研究によると、原因は能登半島地下の「流体」にあるようです。東京工業大学の中島淳一教授の説明によると、流体とは「太平洋プレートが陸のプレートに沈み込むときに取り込んだ海水やマグマやガス」で、地下10~15㎞の深さにあり300~400℃の高温なものということです。この圧力の高い流体が上昇するなどし、断層面に入り込んで地震が発生した可能性があるとみています。地震発生のメカニズムは下図のようになります。
また、中島教授の研究では、日本列島の下には下図のように多くの流体が存在し、1995年の阪神淡路大震災、2016年の熊本地震の震源域の下にも流体があることが判明しました。
この流体マップでもわかる通り、過去に発生したマグニチュード6.5以上の地震の震源と流体のある場所はかなり一致し、日本列島に約2000あるといわれている断層と重ね合わせると、どこで地震が起きてもおかしくないということがわかります。
地震がいつ発生するかの予測はできませんが、巨大地震はこれからも必ず起こります。私たちが事前にできることは、住宅の地震対策をしっかり行い、非常時に必要なものを揃え、災害時にはどのように行動するかを家族や職場で話し合い避難訓練を行うことでしょう。特に、災害時には避難拠点、復興拠点になる役所、学校、病院などの免震かは不可欠な対策だと思います。