ミャンマーでマグニチュード7.7の大地震発生

2025年5月7日

3月28日15時20分(日本時間)ごろ
ミャンマーでマグニチュード7.7の大地震発生

★横ずれ断層地震により3600人超の死者

3月28日、日本時間15時20分ごろ(現地時間12時20分ごろ)ミャンマー第2の都市マンダレー近くを震源とするマグニチュード7.7の大地震が発生しました。これは2024年1月1日に起きた能登半島地震(マグニチュード7.6)より約1.4倍大きな地震です。
地震の原因は、ミャンマーを南北に縦断する長さ1500㎞の「ガザイン断層」が水平方向にずれ動いた「横ずれ断層」によるものです。2016年4月16日の熊本地震も「横ずれ断層」によるものでした。

今回はこの断層の200㎞ほどの領域がずれたものと推測されています。地震発生から2週間経った4月11日時点で、死者3649人、負傷者5018名、行方不明者145人という痛ましい被害になりました。ミャンマーの国営メディアによると、住宅の倒壊は6万棟以上で、医療機関の倒壊や被害は291ヶ所もあると伝えています。

このザガイン断層では、1800年代以降たびたびマグニチュード7クラスの地震が発生しています。20世紀以降でのザガイン断層での地震活動は上表のようなものです。

★震源から約1000㎞離れた隣国タイでもビルが崩壊

震源に近いマンダレーでは、1階部分が潰れたり、原形を留めないほど激しく倒壊した建物があります。建築構造が専門の東京科学大学の和田名誉教授は、「1階が潰れている建物は壁が少なかったり、ガラス張りによって、激しい揺れに対して脆弱な構造になっていたのではないか」とみています。また、原形を留めないほど倒壊しているビルに関しては、構造設計が不十分で耐震性が満たされていない可能性があるとしています。
この地震による被害は、震源から約1000㎞も離れた隣国タイの首都バンコクでも、建設中の高層ビルが崩壊し36人が死亡、33人が負傷しました。その他の高層ビルでも外壁の落下やひび割れが多数発生しました。

専門家や気象庁は、「長周期震動」の可能性を指摘しています。長周期震動は、震源から離れても揺れが衰えにくい特徴があり、2011年の東日本大震災では、東京や横浜のみならず、約770㎞離れた大阪でも超高層ビルが大きく揺れました。
専門家は、タイで倒壊したビルは、柱が日本の高層ビルで使用されているものの半分以下の細いものだと指摘しています。細い柱が地震の揺れと同調して曲がることにより、上層の重みを支えきれずに倒壊した可能性もあります。