日向灘でマグニチュード7.1の地震発生

2024年8月30日

南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表

8月8日16時43分頃、宮崎県日向灘を震源とする最大震度6弱の地震(マグニチュード7.1)が発生しました。気象庁は、これに伴い「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を初めて発表しました。
「南海トラフ地震臨時情報」は2017年から運用されたもので、南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震等の異常な現象が観測された場合や、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合に気象庁が発表するものです。「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」として発表後、専門家による「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の臨時会合が開催され、様々な角度から検討を加え、検討結果に基づき「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」の判断をキーワードとして発表します。

今回の日向灘地震発生から1週間経った時点では、震度1の地震が16回、震度2が5回、震度3が2回観測されていますが、プレート境界の変化は観測されていません。今回初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報」について、内閣府ホームページの防災情報では下図のようにまとめています。

今回の検討会では、震源が南海トラフの想定震源域内であったこと、そして地震規模がマグニチュード7.1と判断されたため「巨大地震注意」の発表となったわけです。
また、内閣府では臨時情報が出たときにどのような行動をとったらよいかを下図のように示しています。重要なポイントは、南海トラフ地震臨時情報が発表され調査結果が「調査終了」となった場合には、地震の発生に注意しながら通常の生活を送っても構いませんが、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではないことに留意しておくことです。「巨大地震警戒」の場合には発生後2週間、「巨大地震注意」の場合には1週間はいつでも避難できるように準備し、その後は「調査終了」の場合と同様に地震発生の可能性を念頭に置きつつ日常生活を送りましょう。

太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近で起きている地震は継続観測が必要

南海トラフ地震臨時情報が話題になったのは、今年の4月17日に九州と四国の間の豊後水道で発生した最大震度6弱の地震の時でした。今回の日向灘地震と同じ震度6弱の最大震度でしたが、マグニチュードが6.6と7.0の基準に満たなかったので臨時情報の発表とはなりませんでした。この二つの地震の震源、規模、最大震度を下図のようにまとまましたが、二つとも南海トラフ想定震源域の西端で発生しています。フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込んでいるあたりに、変化が起きていることは間違いありません。警戒意識を高めておいたほうが賢明でしょう。