首都直下地震はいつ起きてもおかしくありません

2022年5月24日

●首都直下地震は6 つの発生様式があります。

南海トラフ地震と並んで懸念されているのが首都直下地震です。東京を中心とした南関東地域は、南方からフィリピン海プレートが北米プレートの下に沈み込み、これらのプレートの下に東方から太平洋プレートが沈み込む複雑なプレート構造をしています。。このため、この地域で発生する地震の様相は極めて多様ですが、これらの地震の発生様式は、概ね次の6つのタイプに分類されます。

❶地殻内( 北米プレート又はフィリピン海プレート)の浅い
地震
❷フィリピン海プレートと北米プレートの境界の地震
❸フィリピン海プレート内の地震
❹フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界の地震
❺太平洋プレート内の地震
❻フィリピン海プレート及び北米プレートと太平洋プレートの境界の地震

●歴史上の首都直下地震(南関東直下地震)

首都直下地震の問題点は、人口が密集した地域であること、政治・経済の中心地域であることで、巨大地震の影響が地震の揺れによる被害に留まらず、社会機能が停滞することで経済的被害も大きくなることです。
過去には上表のように1293 年に発生した永仁鎌倉地震(推定M7 以上)からの記録がありますが、その410 年後の1703 年に発生したのが、房総半島先端の野島崎沖を震源とするM8.1 ~ M8.4 の元禄関東地震と名づけられた巨大地震です。その152 年後の1885 年には、M6.9 ~ M7.4 の安政江戸地震、1894 年の明治東京地震(M7)、1923 年の大正関東地震(M7.9 ~ M8.2)と続いています。元禄関東地震、大正関東地震は②のタイプの地震です。
これを地震規模と発生年で図示したのが下図ですが、M8 クラスの巨大地震である1703 年の元禄関東地震から、1923 年の大正関東地震の間隔は220 年ということで、地震本部などの専門家は、M8 クラスの地震は約200 ~ 400 年間隔で発生すると予測しています。
大正関東地震は関東大震災とも呼ばれていますが、来年がちょうど100 年目になります。過去の歴史を見ると、M8クラスの巨大地震の前後には複数回のM7 クラスの大地震が発生しているので、いつ大きな地震が発生しても不思議ではないのです。M7クラスの大地震の発生確率は、「今後30 年間では約70%」と見られています。