懸念強まる南海トラフ地震

2022年2月24日

<南海トラフ地震とは>

駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユー ラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域を「南海トラフ」といいます。

日本付近のプレートの模式図

この南海トラフ沿いのプレート境界では、下の「南海 トラフ地震の発生メカニズムの概念図」ように ①海側のプレート(フィリピン海プレート)が陸側のプ レート(ユーラシアプレート)の下に1年あたり数 cm の速度で沈み込んでいます。 ②その際、プレートの境界が強く固着して、陸側のプレー トが地下に引きずり込まれ、ひずみが蓄積されます。 ③陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり、 限界に達して跳ね上がることで発生する地震が「南海 トラフ地震」です。 ①→②→③の状態が繰り返されるため、南海トラフ地 震は繰り返し発生します。

<南海トラフ地震の発生メカニズムの概念図>

南海トラフ地震の過去事例を 見てみると、その発 生過程 に多様性があることがわかり ま す。宝 永 地 震(1707 年) のように駿河湾から四国沖の 広い領域で同時に地震が発 生したり、マグニチュード 8 クラスの大規模地震が隣接す る領域で時間差をおいて発生 したりしています。さらに、 隣接する領域で地震が続発 した事例では、安政東海地 震(1854 年)の際には、そ の 32 時間後に安政南海地震 (1854 年)が 発 生し、昭 和 東南海地震(1944 年)の際 には、2 年後に昭和南海地 震(1946 年)が発生するなど、 その時間差にも幅があること が知られています

<歴史上の南海トラフ巨大地震>

南海トラフ地震は左表のように、概ね 100 ~ 200 年間隔で繰 り返し発生しており、前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震 (1944 年)及び昭和南海地震(1946 年))が発生してから 76 年が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が 高まってきています。「大災害を正しく恐れて備えを充分にす る」ことがとても大切です。